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​カウンセリングのアプローチ

 人が持っている苦労は、人のからだがそれぞれある環境の中で、固有の時間と成長の道すじをたどってくる数だけ、本当にたくさんの違いがあります。しかし普段、私たちはそれらの違いの多くを認識していません。全部みてたらキリがなくて疲れてしまうので、人間はおおざっぱにパターン化して記憶したり、理解しています。このおおざっぱが合わなくなってくるタイミングをPoetreeのセッションでは、コースに分けて扱いたいと思っています。おおざっぱの影で見つけてほしい「声」がおそらくどこかにあるけれど、標準的な「普通」の適応的な生活や仕事のスタイルに気押されていると、よく見えていないことが多い、そのような現象を取り上げました。

 カウンセリングにおいてはまず、この「声」が出てくるために必要な、安心感のある関係性をつくり、どんなことが起きているのか、どんなことに取り組めそうか、目安と方法を話し合ってペースを決めていきます。最初にそれが決められる場合もあれば、一つ何かに取り組むうちに徐々に他のことが決まってくる場合もあります。こうしたプロセスを、臨床心理学では作業同盟と呼んでおり、この作業同盟をひらいて、そしてともに作業をして、そして終えてとじるまでが、カウンセリングの大きな流れです。 

 作業同盟をひらいてから、それからの流れは人それぞれです。Poetreeでは、ある一定の症状に効果がある心理療法を決まった手順で行うということではなく、そうした方法も一部必要な場合にはモジュール的に活用しながら、人のからだとこころの来歴に耳をすまし、それを行うのに一番適したタイミングやフェーズをカスタマイズして順次進めていきます。効果や結果を重視する医療的な診断や治療ではなく、プロセス志向の統合的な心理臨床アプローチでカウンセリングの場を作ります。

 基本的には、人間が成長や自己実現へ向かっていこうとする力にアプローチするヒューマニスティック心理学の考え方を大切にしています。また、からだの内側の動きに意識を向けていくフォーカシング、感情に働きかける統合的な面接技法としてのエモーション・フォーカスト・セラピーや、生涯発達心理学からはアタッチメント理論、女性の発達とケアの倫理、生殖・内分泌・神経科学、文化とこころの関係をみる文化心理学、知覚心理学、現象学的時間論などの知見を統合的に活用していきます。​

 そして、一番大切なことと思っているのが、当事者性を育むことです。「わたし」という小さな感覚の芽を育てて、それを丁寧につないでいきます。その作業をする責任はその人自身にあり、それをしているのは自分なんだ、これは「わたし」が経験している現象であり、「わたし」のライフストーリーなんだという感覚が生まれるような場にPoetreeを育てていきたいです。

 そこに同伴していくのがPoetreeのカウンセラーの仕事です。

 

​ライフストーリーワークのアプローチ

​ 今回ご提供する3つの目のCコースですが、こちらはカウンセリングとは少々異なる点があります。カウンセリングはそもそも何らかの困難や問題を抱えた人がやってくるように設計されたものですが、Cコースは、困難や問題ではなく、人間が生涯にわたって経験している「発達」というプロセスに注目しているコースです。

 「発達」というと、子どもの成長を思い浮かべることが多いかもしれませんが、現在の研究では「発達」は人が生まれてから死ぬまでの生涯にわたって起こる現象であると考えられています。特に高齢期以降の発達の現象に関しては、あるけれども非常に個別性が高く、発達心理学でも研究が難しい領域です。

 またこの個別性の発達は、ユング心理学などでは「個性化」と称して理論になっていますが、中年期以降に課題として顕在化してくるものと考えられています。エリクソンのライフサイクル理論では、このプロセスはその前の発達期からずーっと続いていて、高齢期にライフストーリーとして統合されてゆくことが大きな課題とされています。

 ここでいうライフストーリーワークとは、自分は生まれてからこんな経験をして、こんなことをして生きてきた、こんな人なんだ、という一筋の物語を語ることです。一筋といっても、それは曲がりくねっていたり、伏線があったり、ドラマや小説のごとく複雑な場合もあれば、シンプルに見える場合もありさまざまですが、エピソードがうまく見えなかったり、バラバラになっているとこれはひどく難儀な作業になります。

 そこで本Cコースでは、小さないくつかのエピソードをお話いただき、カウンセリングの知識とスキルを持つ聴き手がそれを部分的な一筋の物語につなげてみる作業をして、その物語(試案)を文で受け取っていただくという実験的な場として機能したいと思っています。

 1回60分で2回ほど語っていただき、それからカウンセラーが文を作ってお送りして、その文を読んで吟味していただいた後に、フォローアップの面接を1回という短期セットで完結のコースです。

 語っていただく場面では、聴き手はカウンセラーとしてではなく、インタビュアー=聴き手というイメージでそこにいると考えてみてください。うまく語る必要も、わかりやすさも求めません。何かを解決しなくてもいいのです。Poetreeの場に来て、「わたしの人生って…」と思いを馳せながら、浮かんできたことをぽつぽつとお話してもらうだけでよいのです。

 人生のストーリーを形作っていく作業は、長い時間をかけて日々紡いでいくものですが、その一歩を踏み出すのが難しいと感じる時に、ここで小さな表現のお手伝いが出来たらと思っています。もちろん、特段難儀さは感じていないけれど、誰かに聞いてほしい、そんな方もお待ちしております。

​3つの相談コース

A B C:​3つのオンラインコースがあります。

使用言語はすべて日本語です。

​コースごとに対象とすること・進み方・料金体系が異なります。

コーヒーマグを持つ女性

Aコース:女性の周期に関する現象を対象とする
オンライン面接

​社会に適応していく時間と、女性の身体の時間は時にうまくかみ合わず、人知れない苦労を感じることがあります。特に女性の身体性は生殖の領域では大切にされますが、社会とのあいだでは感情の動きや人間関係などの面でさまざまな摩擦に出会いやすい面があります。その要因がうまく見えないことも多く、その場合は本人も周りの方も、とても辛い思いをします。  このセッションでは、女性の身体ー心ー社会の関係の中で、周期や日々のリズムを記憶とつなげながら、丁寧に現象を解きほぐしていく共同作業をします。見えてきたものを声と言葉で表現していくことで、自己理解が徐々に深まり、新たなリズムを調整できるようになっていくプロセスを応援します。 ​ 期間の目安は数か月~1年程度ですが、ペースには個人差があります。

​8,000円/回

カラフルな飛行機のイラスト

​Bコース:海外在住邦人の移民体験・文化移行を対象とする
オンライン面接

自分がそれまで育った文化と異なる環境に身を置く時、それまで自然にしていたことが当たり前でなくなり、どのように振舞えばよいのか、どうすればよいのか途方にくれることがあります。海外に移住するということは、大きな変化です。日照時間や気温の影響を受ける他、食生活、言語や文化的習慣の違いに驚いたり、新たな人間関係のパターンを学ぶことに苦労するなど、頭では事前に知識があっても、こころが追い付かない、どうしてもネガティヴに反応してしまうというような事態が起りえます。そのどうしようもなさに今一度寄り添って、それまでの生活に何があったのか、何をなくしたのか、今なにがあるのかを丁寧に探索していきます。そうして、新しい環境にある「今ここ」の心身のリズムを微調整し、意味付けしていくプロセスにお供いたします。 ※アメリカ合衆国、アラブ首長国連、イスラエルなどの国、またはカナダの一部の地域では、現地の資格がないとカウンセリングが実施できない場合がございますので、一度お問い合わせくださればと思います。

​13,000円/回

マウンテンキャンプシーン

Cコース:45歳以上の方対象
​ライフストーリー短期
オンライン探索コース

人間の人生は、絶え間ない「発達」という時間の流れを経験していますが、時にその流れがうまくいかない時期がやってくることがあります。また、いくつかの重要な節目の時に、これまでの歩みを振り返りたいということがあるのではないでしょうか。  このコースでは、生涯発達心理学やライフストーリー研究法を応用し、インタビューという形で、歴史を生きて今ここにいる「私」を見出すプロセスに同伴します。 【ライフストーリー・セット】 これまでの人生を想起して語っていただくインタビュー2回 語りから聞こえてきた経験の構造を文章化したものを聴き手が作成 フィードバック面接1回

​35,000円/3回
+文のお渡し

植物と葉

Poetree

​こころとからだのリズムを取り戻す旅

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